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2006年6月21日 (水)

路地の風景*時代の痕跡

高輪、二本榎は、既に多くの方が取り上げられていますが、
5月の取材をもとに、私なりに話題を取り上げて来ました。
それも、ある程度目鼻が付いたと思いますので、今回と、次回の
「ランドマーク」で一段落としたいと思います。
また1回延びてしまいましたが...(^^ゞ

これまで、元住民の視線で話題を取り上げて来ましたが、
今回歩き回った中で、新たに関心を持った一角がありましたので、取り上げておきたいと思います。

先の「建築の風景;高輪の息遣い 3」の中で、旧竹田宮邸を取り上げましたが、この一角は、その周回道路の外側に位置します。
敷地の一角が、高輪の「風景」のひとつとして取り上げられることがありますが、その正面玄関といえる所でしょう。
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「土盛りをして作られたものと思われます。側面を支える擁壁は煉瓦積みであることが分かります。」





この緩い勾配の坂道は、坂下の、緑が生い茂るお宅の玄関に吸い込まれるように作られています。
終端の玄関前では、僅かに歩行者の便宜で脇道に降りるステップが二段ほど用意されています。
その坂上には反対方向に降りる別の坂道がありますが、こちらの坂道は、敢えて、邸宅に直接通ずるエントランスとして用意されたかのように見えます。
一般的に、邸宅の敷地内であれば理解が及ぶものの、外側にこのようなアプローチの存在を見ると(私道かもしれませんが)、いろいろと興味が尽きませんね。

玄関先の社の鳥居には「末廣大明神」とありますが、商売の神様だそうです。すぐ脇の高輪公園は、旧華族の邸宅跡(煉瓦塀の跡が見られる。S26の区分地図では蜂須賀邸とある。)とのことですが、ここは、旧大名屋敷の敷地跡からも外れており、民間人の邸宅であったことが伺われます。(遡ると、寺社の記録もあり)
今のところ、積極的な材料がないのですが、周回道路から竹田宮邸を望むこの場所に、どなたかの邸宅があり、その後、転用された経緯を感じます。

この他にも、旧東久邇宮邸敷地に纏わるであろう調査対象ポイントが見つかり、この坂道の邸宅とともに、歴史が紐解けないかと思っています。
まだまだ、仕事がありそうです...。

次は、誰でもご存知の(この投稿を見て戴いた方なら)、二本榎のランドマークを取り上げ、今回の高輪編は一段落としたいと思います。

(高輪*旧竹田宮邸下 にて)

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コメント

お姐さん のご指摘に関する続報です。

>あの木造住宅一角はすべて取り壊しだそうです。
>複数の木造家屋が並ぶ敷地内の時がとまったような空間は、戦後の混乱期に姿を変えたままなのではないかと思っていましたが、その由来を調査するには至っておりませんでした。(landscape)

5月4日に高輪を訪れる機会があり、現地を確認しました。あの塀に囲まれた敷地の中に、ひっそりと2軒長屋(だったと思いますが)が3棟並ぶ、その一角の息遣いに触れるのもこれが最後と思いまして。

終戦後、昭和23年の航空写真を確認する機会がありましたが、当時から3棟の屋根が確認できます。竹田宮邸の周回道路から続く、エントランスのスロープも確認できます。当然、脇の高輪公園は無く、そこには広大な邸宅の森が広がっていますが、その一角を占めていたようにも見えなくもありません。その関連も感じるところです。

投稿: landscape | 2008年5月18日 (日) 11:04

お姐さん
コメントありがとうございます。

東禅寺の門前の風景は、断片的な記録をたぐることができますが、トータルでその風景を捉えてみたいところです。特に大正期以前にどのような姿であったか。
写真のロケーションは、東禅寺門前の高輪公園脇でしたが、以前からあまり踏み込まない場所でした。あのエントランスのスロープと、その坂の上に残る朽ちた門柱の跡、あの空間の空気感には、立ち止まらずを得ないものを感じました。
複数の木造家屋が並ぶ敷地内の時がとまったような空間は、戦後の混乱期に姿を変えたままなのではないかと思っていましたが、その由来を調査するには至っておりませんでした。

投稿: landscape | 2008年4月 7日 (月) 12:58

末廣大明神につながる一角が今月中に取り壊されることになりました。
末廣大明神の階段を上がったところの壁にも建築計画の看板が……。
ということは、お稲荷さんも壊されるのかどうか……。

あの木造住宅一角はすべて取り壊しだそうです。
本日、引越しの続きをしている住人の方にいろいろ伺い、写真も撮らせてもらいました。
好きな散歩道だったので残念です。

投稿: お姐 | 2008年4月 6日 (日) 23:52

カークさん

コメントありがとうございます。
カークさんなら、思い当たるだろうと思います。
そう、あそこなんです。
元住人としましても、あまりイメージが無かった一角でした。
テーマをもって歩くと、この一角が醸し出す雰囲気はどうも気になります。

landscape

投稿: landscape | 2006年6月21日 (水) 13:38

いや~びっくりしました、高輪にこのようなところが残っているとは、
どこか別のうっそうとした森の中に迷い込んだような。
風情ある良く整備された坂道がなんともいえません。
ここも一度探しにゆっくり歩いて見たくなりました。

投稿: カーク | 2006年6月21日 (水) 13:18

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