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2007年11月23日 (金)

閑話*鉄路の続くところ

NHKで、関口知宏さんの「中国鉄道大紀行」を見る機会があります。
日本国内からは想像もつかない広大な大地に張り巡らされた鉄道は、国土の一体感を担っているかのようにも見えます。国内航空網も発達しているようですが、鉄路も補完的な役割を果たし、広大な大地に延伸もされているようです。(軍事面での位置づけも感じられますが。)

物流だけであればトラック輸送へのシフトも考えられるのでしょうけれど(二酸化炭素排出量削減には逆行しますが)、広大な国土からすれば、交通手段としてのニーズも含め、鉄道の効率性が優位に立っているようですね。また、広い国土の一体感という意味では、鉄路によって結ばれているという意味合いも感じられます。

日本においても明治以来、狭いながらも鉄路で結ばれることは、物流のみならず交通手段としても国土の統一的な発展のため、精神的な支柱になっていたものと思います。

現在は都市部の鉄道網を除き、国土を縦貫する高速鉄道と、従来の幹線のみが生き残っているのが現状でしょう。付随的な連絡線は(新幹線の開通と引き替えに切り離された路線を含め)、経営を第三セクターに委ねられ、個別に経済原理の中で生き残ることを強いられています。

確かに旧国鉄の制度疲労の末(そこに政治が何を求めてきたかも重要ですが)、その結末として民営化の道を歩むこととなりましたが、都市部におけるサービス産業としての成熟の反面、地方路線における経済原理に基づく整理が進んだことも事実です。結果において、虫食いのように寸断された鉄道網と不採算路線のダイヤの空白が残りましたが、三大都市圏の生活者と、地方都市での生活者ではその意味するところの違いは大きいものがあるでしょう。代替の交通手段が提供されているとしてもですね。

地域経済の衰退は、その原因は地域毎に各々輻輳したものがあるとしても、寸断された鉄道網の姿は、経済の効率性、競争力が喧伝される中で切り離されてゆく地方像と重なるものがあります。

関口知宏さんの「中国鉄道大紀行」の世界において、経済成長の続く中国での鉄道が支える日常、利用する市民の顔を見ていると、かつての日本の風景のようでもあり、姿を変えつつある日本をつくづく感じるところです。

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