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2014年6月 2日 (月)

閑話*坂の記憶

5月の連休に、思いつくまま都内の街歩きに出掛けた。
いつかのように、少年時代を過ごした高輪にも立ち寄る。ここで過ごした時代の記憶は、かすんだり、すり減ったりしない。時々、引き出しから出してみると、そう思う。

高輪の台地には、峰を南北に走る二本榎通りをピークとして、東と西両側に下る、名前のついている坂道や、細い曲がりくねった生活の路地が延びている。時が経ち、昔の面影は大きく失われた。その間、居住者が変わり、生活の息遣いも変わった。変わらないものを求めて歩く様な気もする。それは、記憶の中にあるのだが。

二本榎の商店街、今は姿を変えたが、その中途に豆腐屋さんがあったことを思い出す。ナショナルショップのとなり。大きな窓越しに、水を張った大きな桶が見えた。ステンレス製だったろうか、出来上がった豆腐が泳がせてあった。

あるとき、通りの向かい側からふと見上げると、そこには、豆腐店の看板が残されていた。店舗スペースは他の業態になっているが、申し訳なさそうに銅ぶきの看板に、豆腐店の名前が貼り付けたように浮き上がっている。すっかりさびて変色しているが、今回も変わらずそこに残っていた。同じような、看板の痕跡が、輪業、自転車やさん、鮮魚店の名前があったが、今回は見落としてきた。

坂の話しに戻れば、二本榎の商店街を歩けば、東西に坂は下る。坂の上から見る景色は、どこか知らない町のようにも見える。
今回、その坂を下った国道沿いを歩きながら、二本榎通りに至る、緩い勾配の坂道を見上げて見ると、ふと気がついた。

何故か、そこにあった息遣いが感じられた。その緩い勾配が、記憶を呼び覚ますのだろうか。何かが残っているか、期待をしていないところだったが、その坂道の幅と勾配の記憶は、その道を辿った息遣いとともに仕舞われていたようだ。

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